2019年10月1日火曜日

おお、階段!



きょう
階段に感嘆し
喫驚し
頭が下がる思いになってしまった

階段
すごいのだ

東京メトロの九段下駅に半蔵門線で到着したのである
いつもなら先頭車両近くのエレベーターで改札口に出るのである
きょうは成り行きから4両目ぐらいに乗ってしまったのである
なので九段下駅に着いたらエスカレーター+階段セットのご利用なのである
暑くってちょっと疲れていたのでエスカレーターかなと思ったのである
ところがエスカレーターは守備点検とかいうやつで止まっていたのである
となると階段しかないじゃないかシャアネエナァだったのである
でともかくも階段を上っていくことになったわけだがそこで気づいたのである
これって、階段がなかったらどうなってたんだろう?と

十メートルだか数十メートルだかを地下から階段なしに上るとした
どうする?
とんでもないことになるじゃないか?
階段よ、あってくれてありがとうなのである
階段をつくってくれてありがとうなのである
階段を発明してくれてありがとうなのである
大昔のどこぞの文明の誰かさんが階段なるものを発明したのだろう
まったくすごいものを発明してくれたわけじゃないか!ほんとに!
あるとないとでは大違いというのはこういうもののことを言うのである

こんなことを思いながら
きょうはほんとにしみじみと九段下駅ホームの階段を上り
一段一段がなんだかほんとに愛おしいようだった
一段一段に過去のどこかの文明の発明者の愛がこもっておる
それをしみじみと感じながら
感じ取りながら
しおしおと
あわあわと
一段一段の階段を上ったのである
上らせていただいたのである

そうして
階段を讃える歌を歌うことに決めたのである

おお、階段!
なんじは階段
太古のむかしにだれそれの天才的な閃きの中に生まれ出で
そののちの文明から文明へと伝えられて
現在の東京メトロ九段下駅にまで生きのびてきた
なんじ無くば高低差のあるところでの移動を以下にせん?
なんじ無くば老若男女が高低差を移動するのを以下にせん?
おお、階段!
なんじは階段
今では人類にとって当たり前すぎてすっかり感謝されなくなり
なんじを見る老若男女は「ああ、階段しかないのか……」などと
失礼極まりない吐露をするばかりか「あっちに、ひょっとして、
エレベーターがあるかも?」と他の存在物を探そうとしたり
「今どきエスカレーターぐらい付けとけよ」と雑言されたり
なんとも失礼千万なことに相成っておる次第ではあるが
おお、階段!
もしなんじ無くばそもそもエスカレーターやエレベーター設置さえ
とんでもなく困難な仕事となったであろうし
だいたいそれらが発想されたどうかだって怪しいくらい
おお、階段!
なんじは階段
九段下駅のなんじをこうしていま上りながら
全人類を代表してわれはなんじに全霊を以て感謝を捧げる
おお、階段!
毎日毎日、一段一段、誠に誠にありがとうございます!




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