六本木通りの渋谷4丁目を日本コカコーラ本社側に折れると
コカコーラ本社のビルと交番のあいだを
左右一車線ずつの坂道を上っていくことになる
上がっていくと常陸宮邸の塀にぶつかり
そこでほぼ90度の角度で右折することになる
ここを通っていくときには
ながいことコカコーラ側の歩道を辿っていくことにしていたが
ある頃から交番側の細い歩道の味わいに気づいた
左には鉄柵があって蔓植物がいっぱい絡みついていて
春先から冬まではそれこそ野趣に富む
交番のすぐ脇のところなど早くから昼顔が蔓を伸ばし
11月のなかばまでは昼顔がいっぱい花を咲かしている
なにより味わい深いのは
常陸宮邸沿いに90度の角の坂を下りていく時で
坂を上ってくる車やバスが速度をグッと落して
日光のいろは坂の小型版にさしかかって面舵いっぱいになって
ぐいぐいぐぐいと注意しながら進んでくるさまに出会う
これがなんともいいのだ
こんなふうにこの坂を下るのはたいてい夕暮れ時なのだが
初夏でも晩秋でも冬に入った時にも
日の長さ短さのいろいろをいろいろと反映して
車やバスがとっても趣ぶかく角を曲がり上がってくる
街中だというのに車もバスも美しくなる
あゝ 車もバスもおもしろいものなんだなあと
子どもの頃のようにずいぶん素直に目を見開き直させてくれる
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