2017年10月23日月曜日

使われないで中途半端に膨らまされたコンドームのように

生きているのか、死んでいるのか
いつもぼんやりとしているわたしのことだから
空耳のように聞こえてきたように感じただけなのかもしれないが
「いかなる手段を使ってでも
「いまのボス猿を山から引き降ろしてやる…
とかいう
ずいぶん威勢のいい言葉が叫ばれ
それに和して
必勝を誓う声もたくさん上がっていたようだったが…

彼らの言っていた「いかなる手段を使ってでも」に
わたしはずいぶん関心がある
ずいぶん継続的な関心がある
政治の言葉は夢幻を語る安物詩文の言葉とは違う
言われた言葉は確実に内容物を充填されなければならないから

いわゆる選挙期間中に声を張り上げて街を廻ったり
車の中で弁当を掻き込んだりするだけが
いつもながらに彼らの言う「いかなる手段を使ってでも」に違いないが
そんなことは百も承知の上で
さあ、「いかなる手段を使ってでも」やってごらん、
「いかなる手段を使ってでも」やり続けてごらん、
とスゥィフトにもチェスタトンにもリラダンにも負けない皮肉な精神で
彼らのことを観察し続けていく

物騒で野蛮に見えながらも
この島国にも昔は
やると一度言ったらちゃんとやった連中がいて
それなりの爆破をしたり
時代錯誤にみずから腹を切って首も落とさせた奴もいたし
ちゃんと軍の一部を動かして首都を制圧し
最後は甘んじて処断された若き軍人たちもいた
彼らのようにやれとは言わないが
彼らはみずからの言葉と思想の充填を怠ることはなかった

使われないで中途半端に膨らまされたコンドームのように
はじめからちゃんと装着もされない
政治の言葉たちがあちこちに捨てられていて
そんなこともあたり前の光景にしか見えなくなっている
今回の使用中断コンドームは「いかなる手段を使ってでも」だったね
どうやらアヴァンチュールにさえ事はいたらず
草食系政治屋の諸君は
レッサーパンダが怒った時のようなかわゆい両腕の振り上げようだけ見せて
雄プレイならぬ雌プレイの
たおやめぶりにすぐに戻っていってしまうようだ



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