萩の咲き乱れる大きな庭があそこにはあるというのに
あとからあとから
用事や雑事が出てきて
たった半日ほどの時間さえとれず
行くことができない
小径の両側から萩の細枝がいっぱいに伸びて
肩も腕も脇腹も腰も腿も
たっぷりと萩のショッキングピンクの花たちにすがられながら
夢もうつつも抜け出るようにして
ほかの誰のでもない
じぶんだけの小径にようやく出て行けるかのように
ほんのひととき感じる
あの瞬間にふたたび遭遇することが
ひょっとしたら
また今年もできないかもしれない
萩の咲き乱れる大きな庭があそこにはあるというのに
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