きみの来年

エレベーターで

小さな男の子ふたりに会う

たぶん

彼らをお祭りに連れていく

おばあちゃんも

いっしょ

五歳と四歳だという

幼稚園ですね

というと

来年

上の子は小学校だという

小学校に上がるはずの子が

来年

ってなあに？

とおばあちゃんに聞く

ちょっと迷ったあげく

お正月になって

また

お餅を食べるでしょ

そしたら

来年

とおばあちゃんが答える

来年

という概念を

小さい子に教えるのは

むずかしいな

（五歳なら

（なんとなく

（わかっている子も

（多いように

（思うが

また

桜が咲くでしょ

そしたら

きみの来年

そう言おうか

と思ったが

階下に着いて

もう

ドアが開いてしまった