今ごろの
夏の終わりにふさわしい
荒井由美(松任谷由実)の「晩夏(ひとりの季節)」
https://youtu.be/3ZpbGmXDgrU?
https://youtu.be/1YdZ3wB6Jp8?
ただ
言葉やイメージ選びの点では
いろいろ
疑問が多い曲でもある
まず
晩夏
8月8日頃には立秋なので
それ以降は暦の上では秋だから
晩夏という言葉を使うとなると
8月8日あたりまで
しかし
現代の生活実感としては
その頃は真夏なので
この言葉は非常に使いづらい
詩的な効果を求めて使ってしまうと
微調整しなければならないことがいろいろ出てくるので
詩歌では避けがちになってしまう
「コスモス」も「ハゲイトウ」も
季語としては秋で
晩夏の季節感を出すには
使えない
もちろん
8月上旬では
まだコスモスもいっぱいは
咲いていない
ハゲイトウは
8月頃から咲いているが
まだ
盛期ではない
こうした問題に
いきなり投げ込まれるのが
「晩夏」
という言葉なのだが
荒井由美はこのあたりのことを一切考えずに
ずいぶん
いい加減に歌ってしまっている
「晩夏」といえば
フランソワーズ・サガンと並んで
恋愛心理を残酷なまでに描き出すフランスの女性作家コレットの
有名な小説『青い麦』
を知っている人は
同じ発音から
ヒロインの15歳の少女
「ヴァンカ」
を思い出すかもしれない
毎夏のヴァカンスを海で過ごすふたつの家族の
幼なじみの
16歳のフィルと15歳のヴァンカの物語には
「晩夏」という言葉は似つかわしい
残酷な恋愛小説家であるコレットの
この小説は
もちろん
単純な青春恋愛小説ではない
ヴァンカを差し置いて
目の前にふいに現れた大人の女性ダルレー夫人に恋したフィルは
パリに帰っても夫人と関わることを望むが
若すぎるフィルにどんどん惹かれていくのを恐れて
夫人は
姿を消してしまう
フィルとダルレー夫人の仲が深まっていくのを知って
耐えていたヴァンカの元に
結局フィルは戻っていくのだが
すでに
フィルにとってのヴァンカは
よく知った幼なじみではあるものの
もう
心のときめく相手ではない
ヴァンカを不幸にしないようにという思いから
ヴァンカに戻るのだが
しかし
ヴァンカを幸せにすることもできないちっぽけな自分だと
認識せざるを得なくなったフィルの心は
16歳にして
すでに朽ちてしまっている
・映画化された『青い麦』(クロード・オータン・ララ監督、19
https://youtu.be/-43TSOP5-9s?
恋愛の残酷さを描くのを得意としたコレットの
こうした特質は
三島由紀夫によって引き継がれたが
老いてから彼女が描いた中高年の女性心理の悲惨さは
円地文子に引き継がれた
といえるかもしれない
最近は忘れられがちだが
コレットは
作家やジャーナリストだっただけでなく
パリのミュージック・ホールで
パントマイムや踊り子として活躍した女性でもあり
本人もバイセクシャルなら
初めの夫もバイセクシャル
数回の結婚で子供も産んだが
時には同性愛にも戻る
という
現代の女性も顔負けの
「進んだ」女性だった
大学や学問とは一切無縁で
幼少期からひとりで古典を読み漁って
作家としての素養を得ていった
彼女のフランス語は
感覚的
官能的
詩的
で
天才的な流麗さに溢れ
男性作家たちのフランス語は
彼女のフランス語の魅力には
まず
かなわない
そういう意味で
フランス語作家中の真のフランス語作家
といえる
フランス語を読む者なら
フランス語の頂点としてのコレットに
いつか
行き着かざるを得ない
実際
あのマルセル・プルーストや
アンドレ・ジッドらに
熱烈に支持され
レジオンドヌール・シュヴァリエ
ベルギー王立アカデミー
アカデミー・ゴンクール総裁
レジオンドヌール・グラントフィシエ
などの勲章を授与され
81歳で死去した際には
国葬された
大の猫好きだっただけでなく
あらゆる動物を愛したコレットは
動物愛護の先駆者だった
とも言われる
・キーラ・ナイトレイが演じた映画『コレット』(2018)
https://youtu.be/Mqdyyk-iOvY?
以下は
実際のコレットを撮影した映像など
ほんと
YouTubeは
娯楽にも
勉強にも
なりますナ
イーロン・マスクさんが
DS退治のために
YouTubeのほうも
買い取るつもりらしいけれど
・https://youtu.be/PUiS5vCWucU?
・https://youtu.be/vJE1FVtB3ms?
・https://youtu.be/7c6_2wkXEgg?
・https://youtu.be/lqEa9cVRGlk?
・https://youtu.be/ahu1g18wR4I?
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