主張もけっこうだが
聞きたくない耳元で続けられても
早春の少し強い風音が
聞きづらくなってしまう
気分を休める時に
アルコールなど
手元に置く趣味もないわたしは
なにも置いていない
テーブルに肱をついて
少し寒げに感じる首元を
なにか巻いて守ろうともせずに
しばらく座ってみたりする
テーブルがすてきな木製である必要もなく
プラスチックのものでもよいし
どこか場末の中華屋のような
汚れの点々とこびりついたものでも
べつにかまわない
身のまわりのものに
左右されるような思いなど
とうの昔から大事とは思っていないし
この世界からの刺激に
どこまでも干渉されない
不感の心の奥の奥に
いつも居続けてきているから
とはいいながらも
早春の少し強い風音が
聞きづらくなってしまうのは困る
風が好きで
風の吹いている時には
他のなにも聞きたくはない
風にはすべてがある
すべてがある風
早春の少し強い風音の
耳を聾するわけでもない
他の音もだいたいは聞こえている
そんな程度の音を
とりわけ好んでいる
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