すさまじい速さで
自分から遠ざかり続けるのが人間か
それとも
近づき続けるのが?
むかし
若い若い頃
深夜もやっているコインランドリーに
たくさん洗濯物を抱えて行ったら
丸椅子に時間が座っていた
あゝ時間だな…
そう思っただけで
ぼくは別の端っこに行って坐った
話しかけもしなかったが
ああいう時は
なにか言葉をかけてやったほうが
いいもんかな
やっぱり
どんな風体だったか
もうロクに覚えてもいないが
時間の手の指が
ずいぶん太かったのを覚えている
太いというより
腫れているようにずんぐりしていた
あの時もちろん
時間の中に普段と違った仕方でいたのだ
午前3時25分頃に店に入ったのに
洗濯が終わって店を出しなに時計を見ると
午前3時9分だったのだから
あの時の16分の儲けを
後になって利子付きで返せと言われやしないかと
ちょっと気にはかかっているんだけれど
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