眠りに落ちるのでなく
目覚めにこそいつも落ちていて
揺れている一枚の葉さえ
想像したこともない未知の国への鍵であり
入口であるのを知らない
なんという幽閉のされ方か
と思わぬでもないが
幽閉のほうにしてみれば不承不承に奪取されて
渇いたまゝの喉に
アドリア海あたりの水を
たっぷり注いでもらいたいものと
希求しているのだろう
船が出るが
たいてい船はまもなく出るものだ
だから
まもなく出ない船にこそ
乗り込みたい
アンジェリカという名のテリア種の子犬か
主人よりも高貴な仕草の
数千年前の女奴隷の亡霊でも伴って
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