2018年7月29日日曜日

いま目の前にあるものが

 

やってくる時も
来ている最中も
過ぎていく時も
遠ざかって行ってしまった後も

台風ひとつにも
思うのは
かつてのあれらの台風たちの
頃のこと

むかしは
台風はもっともっと
はるかに台風だったなぁと
ヘンな感慨も
後から後から湧いてきたりして

いろいろな土地で
なんと
たくさんの台風を経てきたことか
水嵩の増した河川の流れを
何度見てきたことか…

ひとになど語らず
ひとりで
つぶやくように
心のなかに
浮かばせている感慨だが
台風ひとつとっても
こんなものかもしれない
世にあって
世を経て
さまざまなものを見聞きしていく
ということは

いま目の前にあるものが
いま目の前にある
それひとつでは
けっしてあり得ないということ



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