2018年7月14日土曜日

精霊たちとなめらかに交流できることをこそ


 
草木は兄弟であり、姉妹だ。
皆、私たちに語りかけてくる。
耳をすませば、声が聴こえる。
アラパホ族

自然への畏敬を忘れた生物種は滅びなければならない
人身御供を捧げてまで精霊たちを畏れ続けた祖先たちの配慮を忘れ
好き勝手に山野を壊し続けた報いは崩れや激流となって返ってくる
精霊たちとなめらかに交流できることをこそあらまほしき精神の道と呼び
その道をいくらも精進できずに山野を荒らす乱暴者には滅びしかな
起こるべきことが起こるべくして各地に起きていく
厖大な死人たちの名がもう霊帖に記されている
緑したたる野や山の深くにまでその土地のものでない建材を持ちこめば
地霊たちも草木河川の精霊たちも許すことはありえない
肌にこびりついた異物を人が払うように土地は人間という異物を払
異物と見られないように祈りがあり感謝があり
規模を小さく保ったまゝにひそやかに生きる謙虚さが伝承されてきたのに
万人揃って生の基盤であるものの大いなる魂を無視するようになって久しい
久しいといってもつかの間の人の世の歳月に過ぎず
幾度か大地が体を震わせればすべては散り飛ばされていってしまう
その土地土地の木材や岩石以外のものを控えめに使わせてもらう他
自然の中での人間たちの棲みようなどありえない
まるで大地の支配者ででもあるかのようにどこまで図に上る気なの
土が岩が水が太陽が温度が湿度が風がもう忍耐をやめようとしてい
入って行ってはいけないところにまで自動販売機を設置して
糖分と合成添加物を溶かし込んだ水の穢れた波動をまき散らしていては
土地の精霊たちの憤怒を引き起こすのも致しかたない
目も耳も言葉も使わずに精霊たちと交流できるのを文化といい
それ以外には自然のなかで許され得る文化などありはしない
精霊たちの願うところを聞き精霊たちの嫌うところを察知し
どこにいてもその場所と共鳴しあって控えめに居させてもらう他に
人という種が存続していくありかたはない



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