2024年11月2日土曜日

特製はちみつの広告文を作らないと


 

 

凝縮の美を

ほんのうっすらとでも単語の並びに帯びさせるには

滝から飛び降りるどころか

滝を下からも上から数秒で折り畳んでしまわねばならない

文字数や行数を節約して

 

花!

 

うす青がかった靄が

斜めに

金星まで伸びてもいいかもしれない

 

ジョーンの小さな店まで

カプリ島の青の洞窟の思い出とともに

ちょっとばかしボーッとして

驢馬に乗っていくのも

いいかもしれない

 

文字数や行数を節約して

新しい計算機に「わたし」と名づけて

名も知らぬ美しい鳥に今度こそ娘を産んでくれと頼もう

さっき口に咥えた葉は

最初酸っぱいような味がしたが

しだいに天地創造の味がするようになった

香しい義務とマーコットオレンジを買い物袋に入れて登る岩山で

ジョーンは昔大事な指輪を落してしまったが

なんと長いことかかって高らかな音を立てながら

麓の草原の花咲く野辺まで

跳ねたり転がったりしてたどり着いたことか!

 

ジョーンの小さな店の

特製はちみつの広告文を作らないと

作らないと

 

文字数や行数を節約して

 

字面の

はるか向こうに

畳んだ滝がスッと伸びて

水しぶきがやわらかい緑に明らむように

 





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