起こることは
すべて
よいことである
起こるべくして起こったのであり
現象の賜物
ひとつの現象の発生は
数えきれない
要因の束が絡まりあって
有機的に
合目的に
顕現するものと決まっている
たとえば
貴重なガラス工芸品が
不注意とも言えぬ微細な不注意から
破損したとする
その工芸品を守り
維持すべきという観点からは
これは事故であり
災いであり
損失であろう
しかし
注意に注意を重ねて
万全の保護を敷いていたというのに
それでも
破損してしまったところには
その工芸品の運命が働いており
起こるべきことが起こったのであり
貴重な工芸品という人造物を維持すべき
という観点が盲目にしてしまう
より高位の意志の侵入がそこに発生している
そもそも
ひとつの工芸品の製作は
複数の自然物の破壊や
非自然化から
為されるしかないものだろう
それをよいものとみなし
創造とみなすのは
人間たちだけであろうし
それも
そこに居合わせる人間たちだけだろう
貴重な工芸品を例にしたのでは
わかりづらいかもしれないが
大量に人間を殺すための殲滅収容所のような
創作物を例にとれば
わかりやすくなる部分があるだろう
殲滅収容所の誕生は
殺戮者たちにとっては賜物であり
この上なく有益で貴重な装置であった
これが放棄され破壊された時は
殺戮者たちの持つ観点も意図も価値観も超えた
より高位の意志の侵入が起こった時だった
運命
という呼び慣わされた言葉で
呼んでみてもいいのかもしれないが
より高位のこの意志の内部に深入りして
さらに内観を進めていけば
殲滅収容所を誕生させる諸要因の束の解読も
もちろん可能になっていくだろう
起こること
起こったこと
起こっていくであろうことの
すべての要因の束への
内観を
同志諸君よ!
真の意味での唯一の「友」よ!
さらに進めていこう
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