2012年9月10日月曜日

九月句 (二)



九月八日

おいとまをそろそろ申す秋燕

曼珠沙華よつぽどのことがあつたのネ

秋鯖はいよいよ嫁に食はすまじ

秋の海ひとりを気取る歳ならず

太刀魚のぶつた切られて亜鉛板

真鰯を毎年さほど買はず来つ

鮭ばかり並ぶスーパー鮭を買ふ

竹の春想ひ出掘りにまた嵯峨野

すつきりと紫苑のやうに立ちてをり

仏蘭西の桃おほかたは堅かりき

羊羹をやゝ厚切りに切る白露

生姜市生涯の出会ひなかろうが

夜なべとは懐かしき言葉ファミマ過ぐ

摘みたきはあふるるほどに秋七草

藤袴あまり好まぬタイプにて

しあはせは萩どこまでも揺るる径

もう少しさつぱりしろと松虫が


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