ティッシュペーパーを
一枚
とろうとする指の
もう軽い死を
超えたうす影色の
(見まちがいかと
……いいや、たしかに)
灯かりを受けて
ほのか輝いたあたりの脇に
現われた薄い色の
中空に流れのびてゆく
速さの
せつない誘われ
落ちそうに知る
はらはらの
情や枯淡の火の小花
吹き濡れ
つつつ、と
虜
なにか声でも
出さないと
こらえ切れない泉の崩れ
おだやかに水は
宙からくだり
指、その指に繋ごうと
うちに満ち
近づけて
ゆく
べつの
指
見者ヲヤメヨと
声も立ち
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