いろいろな情報を
込み入ったかたちでなく
わかりやすく
できるだけ
レベルの良質さや複雑さを
保ったまま
ひとに伝える仕事として
編集とか
ライター業という
仕事があるのだと思う
そんな職業に
就いているわけではないので
それらについて
ふだんは
突き詰めて考えているわけでもないが
見やすく
わかりやすく
よく使いたくなるような
そんな辞書を
いくつか持っているので
それらの仕事からできあがる成果は
ほんとうに実質的なところで
すごく人助けになると
つくづく思う
中学生のとき
家庭教師の先生から
研究社の「英和中辞典」を使えと言われて
買ってみたけれど
基礎のあやふやな中学生には
ひどく使いづらくて
最低限の語義を見つけるだけで
四苦八苦した
家庭教師は心理学の大学院生だったから
「英和中辞典」や
もっと簡便な「岩波英和辞典」でよかっただろうが
中学生に使わせるには
中学生向きや
せいぜい高校生向きの
わかりやすく
見やすい辞書のほうがいい
あの中学生のときの辞書選びで
へんに背伸びせずに
もっと楽なものを使っていれば
英語の勉強ははるかに楽だったと思う
その時どきにふさわしい
道具としての辞書や本を適切に選ぶというのも
生活の編集能力ということになる
いまにして思えば
あの家庭教師も
教育ということについては
よき編集能力は持っていなかったのだ
編集や
ライターという仕事に
就いているわけではないが
考えてみれば
生活のすべては
編集であり
ライター業といえる
ABC…の順でものを提示せずに
BCA…と並べかえた瞬間に
急にわかりやすくなったりする
ABCDEFG…と述べていかずに
HCJ…とだけ言う際に
はるかに飲み込みやすくなったりする
ろくに基礎もできていない中学生に
「英和中辞典」など
けっして勧めたりはしない
という編集能力や
ライター能力を
生活のどの部分でも維持したい
より使いやすい
見やすい
わかりやすい
他の新しい辞書を探し続ける
取材能力や
収集能力も
同じように維持したい
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