2015年6月21日日曜日

2・5・6・7



なぜ書くのかといえば
死の際に通過する劫火はすさまじいから

なまじっかな経験や知識では
すべて意識から剥がれ落ちてしまう
霊にまで染み込ませ
さらには魂にまで浸透させて
ようやくわずかな精髄が残りうる

自分で書いたものも
すべて残るなどということはない
書いたものも作ったものも残らないが
そんな行為は意識の組織網の間にジュワッと
経験を充血させ痕跡を残しやすい
劫火による灰燼をも超えていける時がある

なにでどのように書くのであれ
つまりは筋肉仕事であり
そこに時間と呼吸と血流が密に絡まってくる
このことこそが魂の記憶形成の秘密だが
この世では誰ひとりおおっぴらには教われない
秘教者にわずかでもすれ違った者に幸いあれ



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