ほんとうは死なんて
なんでもないんですよ
もともと
だれひとりこの場所にもいなし
この体にもいない
そう錯覚するようにできている修行場
あるいはゲーム場に
みんな
来ているだけ
いや
来てなんかいないんだけれど
来た感じになっているだけ
だから
戦争も災害も心配することはない
殺したって
殺されたって
ぜんぜん大丈夫
ぜんぶフィクションだから
なにもかもゲームだから
やりたいことを物質的にやり遂げたり
やり遂げられなかったり
失敗したり
成功したつもりになったり
家族円満に暮らしたつもりになったり
孤独に生涯を終えた幻想に埋没したり
世界や人間についての知をかき集めた気になったり
無知を思い知らされた気になったり
馬鹿だよねと思うけれど
騙されたいんだからしょうがない
騙されたくってわざわざこのゲームに嵌りに来たんだから
誰のどんな人生にも
どんな生きざまにも
どんな生き損ないぶりにも
なんの意味も
価値もないんだ
意味があると思いたいの?
いずれ無くなってしまうこんな地球上での短い生に?
そのためには霊の不滅についての確信に到らなければいけないけれ ど
あなた
それをこの生で極めた?
霊を知ろうとした?
魂を証明しようと努めた?
しなかったでしょ?
地上の浮薄な価値観の無数の玉入れゲームに振り回されて
そういう人は
いちばん
なんでもない人
いちばんゼロの人
でも
そんなこともなんでもない
ゼロでいい
だってすべてゼロなんだから
むしろ
なんて自分はゼロだったんだと痛感する人のほうがいい
自分はゼロだと認めた時に
ゼロはまったく別物のゼロになるから
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