ひさしぶりに終電に乗ると
満員ではないものの
人でいっぱい
あの疲れた空気が充満していて
立っている人たちも
座っている人たちも
じぶんの肉の中に籠って
寝ているか
目を瞑っているか
どろんとした目でスマホを見つめているか…
ところが
近くの人たち
離れた人たち
ひとりひとりを見つめてみると
くっきりとしている
顔も髪の毛も肩も胴も
みなくっきりとして
他の誰でもないすがたで
そこに立っている
座っている
眠っている
この不思議なまでの
くっきりさは
なんだろう
ひとりひとり
こんなにくっきりと違う人たちが
この車内にいて
ひとりひとり
見つめるだけでも
じつは
出会いだった
ひさしぶりに終電に乗って
満員ではないものの
人でいっぱい
あの疲れた空気が充満していたが
立っている人たち
座っている人たち
じぶんの肉の中に籠って
寝ているか
目を瞑っているか
どろんとした目でスマホを見つめているか…
そう見えたが
この人たち
見えるかぎりのみんなに
出会った
とりかえのきく
べつの誰かでない
他の誰でもないすがたで
立ったり
座ったり
寝ていたり
くっきりとそこにいるのに
出会った
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