しんしんと雪の降る夏
交差点に
人影はなく
小さな足の獣のような足跡が
いくつか
降りやまぬ雪の
ひとひら
ひとひらが
信号の青や赤を邪魔し続け
まるで
そのぐあいが
べつの知らせのよう
やはり
ここでも
わたくしは立ち詰める
透いた霊
もとより誰も
通りかからないけれど
もし通りかかったとしても
たったのひとりにさえ
見えもしない
わたくし
しんしんと降り続く
真夏の雪
熱い
熱い雪が
まるで寒さのように
青々とした真実を
すっかり
透明にし
包み込んでしまっている
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