暑い部屋で作業していたので
扇風機を持ってきて
こちらに向けて風を送っていた
しばらくは涼しかったが
いつのまにか
ずいぶん暑く感じてきたので
扇風機のほうを見ると
こちらを向いていない
逆向きになってしまっている
勝手に首が動いてしまったのか…
そう思って
またこちらに向け直し
風が来るようにした
しばらくすると
また暑く感じてきたので
扇風機のほうを見ると
こちらを向いていない
逆向きになってしまっている
なんどか繰り返すうち
勝手に首が動いたわけでなど
ないのがわかった
下の台の部分がいつも
逆向きにされていたから
もう何十年も前の話
山奥の真夏の廃校に寝泊まりして
ひとりで留守番というか
警備をしていた頃の話
ひと夏まるまる
訪ねて来る人などおらず
その頃目指していた
資格試験の勉強にはよかったが
いろいろと奇妙なことが
毎日のように起こった頃のお話
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