草むらの中に近道があるので
ぐんぐん行くのだが
まわりの草はずいぶん高く伸びて
膝や腿にまで
くすぐりの穂先を当ててくる
それはそれで
りっぱに
記しておくべきなにかだけれど
それではない
いま言いたいのは
草たちのくすぐりを受けながら
あゝ、ぼくはいない!
なんていないのだろう!
そう鮮やかに
いないぼくがわかっていた!
いま言いたいのは
これ
どうです!
ぼくはこんなにいないんです!と
いない者たちみんなに
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