集めた本を
どんどん読んでは
どんどん手放していく
そんな時期に
かならず
本好きたちは入っていく
もう
人とムダなおしゃべりなんかしない
用事や仕事以外では
わざわざ人に会いになんか
出かけていかない
外に出かけるのは年中だとしても
電車の中でも待ち時間でも
暇がれば本を出して読んでいる
用事や人と会うことが
いわばコマーシャルタイム
生きている人と話すようなことは
はるかに精緻に
選ばれた言葉によって
さまざまな本に書かれているから
人間はそれほど
ひとりひとり独自なものではないのだ
残念ながら
本を書いた作者にだって
べつに会う必要はない
大事なのは作者ではなかった
書かれたかたちでの
文字の並びでしかなかった
もともと人間なんて
どうでもよかったのだ
死ぬ頃には
ほとんど手元に
本がなくなっている
なんていうのが
どうやら望み
その頃になっても
手元に置いてある本こそ
その人にとっての
まさに本と呼ぶべき本
真の本
そんな本に出会うのが
どうやら一生の
本当の夢だったのかもしれない
あこがれだったのかも
しれない
きっちりとは
なかなか行きそうもなく
誤差はどうしても出そうだが
まァ小型トラック一台分以下ぐらいの
書籍ゴミを残す程度に収まれば
なかなか
見事な本読み人生だったと
いうことに
なるんじゃないかな
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