どこにもどのようにも在り得ないと体感されていく

 

 

この世で必須なのは

時間と空間の体験であり

それ以外は

じつは全くどうでもよい

それどころか

それ以外に重要なものがあると思い込めば

時間と空間の体験への集中が妨げられ

この世に一定期間幽閉される意義が乱されてしまう

肉体に精神が縛られるのも重要な体験だと

見なす派も多くあるものの

そもそも

肉体と精神を区別するのは

誤っているし

時間と空間の体験を精妙に辿ろうとすれば

そこに重要さを見出す必要がないのは

自ずと認識される

たゞ在れ、と教える宗教が多いのも

このゆえであるが

もちろん

たゞ在ることなど不可能で

時間と空間の精妙な網の目の中にしか

在ることはできないばかりか

時間と空間の中にあることはそもそもあり得ないので

どこにもどのようにも在り得ないと体感されていく