2025年3月12日水曜日

存在と非在の都心まで


  


さびしさを感じないぼくで

よかった 港     ストローの

いつの 時代の        ゴミか

くちゃくちゃになって 亀にも

きっと会って 泳ぎ着いたのだろう この

浜辺

 

水もしたたる (たしかに)いい

女たちにも 何人も会って グリーンあざやかな

クリームソーダで 夕暮れのうちに

「じゃあね、またね」

と切り上げて ちょっと遠い都心まで

帰るぼくの 品行方正ぶり じぶんで気に入ってて

翌朝 いつも 開く前の朝顔に

如雨露で水をやり 朝顔より先に

目覚めてる小鳥たちにも

水をやり

餌をやり

 

新聞をとっていた頃には新聞を

新聞をとっていなかった頃には『家なき子』を

ちょっと読んで また 海へ

 

海がある時には水の溜まった海へ

海がない時には水の溜まっていない海へ

 

「じゃあね、またね」

と切り上げて ちょっと遠い

存在と非在の都心まで

 





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