あゝ きれいな梅の花……
でも
こうして眺めている
今日という日も
いずれは
昔のとある日ということに
なっていってしまう
それでも
軒端の
うつくしい梅よ
今日という日が
もうすっかり
昔となってしまって
こうして
いま
おまえを眺めている私も
とうにいなくなってしまっているはずの
未来の春の日々にも
どうか
忘れないでいておくれ
こうして
私が見ていたことを
こうして
見ていた私のことを
百首歌たてまつりにしに、春歌
式子内親王
ながめつるけふは昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな
『新古今和歌集』巻第一 春歌上 五十二
0 件のコメント:
コメントを投稿