気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
もうなにも言うことはない
ルイ=フェルディナン・セリーヌ『夜の果てへの旅』
奇妙な経験といえば奇妙な経験である
愛という県の
愛という県庁所在地の
愛という区の
愛という娘にぞっこん愛されて
住み続けたことがあった
ただそれだけが
わたくしの人生であった
ほかには
なにも言うことはない
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