“We are the priests of power”, he said.
George Orwell 《1984》
昨日見終えたDoug Limanの《Jumper》(2008)で
今年は100本の映画を見終えたことになる
あまりに少なくて情けないが
昔よりもはるかに忙しい日々を送っているのだからと
……いや、これも自分の怠惰さへの
むごたらしい甘やかしになってしまうだろう
《Jumper》
SFとしてはあまりに底の知れた駄作だが
これでもかと瞬間移動場面をあまりに使いすぎる気前のよさが
なんだかお得なような馬鹿にされているような作であるところが
ちょっと気持ちがいい
Hayden ChristensenとJamie Bellのふたりが突然
東京に瞬間移動し
2007年時点の銀座や渋谷がふんだんに映されるのを見るのは楽
とはいえ東京人から見れば
銀座から渋谷までふたりが数分で歩いてしまうのは
さすがにチープすぎるだろ?
と突っ込みたくなるところも
まあ
楽しいといえば楽しい
そんなことを思いながらこの駄作を見ていると
それにしても
この瞬間移動の概念は
現代にあっては全くSFどころではなく
これを再認識するためにわざわざ今見たのだものね
と自分に念を押したりする
そういえばHayden Christensen演じる主人公の母親役を
中年になったDiane Laneが演じていて
なんとも時代離れした
奇妙な懐かしさに心の一部が巻き込まれそうになってしまった
1984年頃には1位2位を争う世界的女優だったのに
19歳以降はすっかり凋落し
映画に出ても鳴かず飛ばずだった
ふたたび注目されるようになったのは
2000年になってからという
そういえば
Diane Laneが鳴かず飛ばずだった15年ほどの間に
わたしの最も冒険に満ちた奇跡の日々があったものだったと
いま思い返される
ジョージ・オーゥェルも村上春樹も
1984なるものを書いたが
その後の年々が
じつはすごいのさ
それはわたしが書くよ
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