2025年9月1日月曜日

素晴らしき新時代!

 

 

 

住んでいるところが

日々

ホテルの室内のようになっていく

 

眠りについて

起きると

すこしずつ

ホテルのようになっている

 

ホテルのようになる

とは

置かれたものがきれいに整い

無駄がなく

さっぱりとしていく

ということも意味するが

じぶんが選んで買い集めてきたものとは違う

他人の趣味や判断で集められたものが

ほとんどの場所を占める

ということも意味する

 

ともあれ

必要なものがしかるべき場所にあり

すぐに見つかって

時間を無駄にせず便利に使えるのはよいので

じぶんの趣味や判断をはずれたものばかりが配置されていても

困ることはない

そもそも

じぶんの趣味や判断とはなんだろう?

人生のどこかの時点でこびり付いてきた

他人の意識の断片以外の

何であろう?

 

この頃は

スマホでタクシーを呼ぶのが

お気に入りになった

ずいぶん簡便に呼べるのだが

この呼び出しアプリはちょっと変わっていて

筆記体でタクシー会社のアドレスを打ち込まないと

機能しないのだ

もちろん筆記体はアプリ内に準備されている

そのアプリで打つ文字は

ブロック体ではなく筆記体なのだ

 

この呼び方をすると

タクシーの運転手が家のドア口まで来てくれる

というより

家のドアを開けるとすぐに

タクシーの中に座っているしくみで

これがどのようにできているのかわからない

荷物が多い時には重宝する

しかも

荷物をドア口まで運ぶ必要さえなく

持ち出す荷物をじぶんで認識してさえいれば

自然にタクシーのなかに移動している

 

運転手の言うところでは

そのうち

タクシーに乗り込む必要さえなくなるそうだ

指定した行き先へ

そのまま瞬時に運ばれるという

これまで「タクシー」を意味してきた自動車のかたちは

客を瞬時に移動させるというかたちに

変容するのだという

 

素晴らしき新時代!

古い表現で口走りたくなってしまうが

さらに進めば

生まれてから瞬時に死へと移動させる人生のかたちも

そのうち出来上がってくるだろう

と思えた

くだらない内容物ばかりで満ちた人生も

さっぱりしたものになるだろう

 

素晴らしき新時代!

やはり

古い表現で口走りたくなってしまうではないか!

 

 





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