夏休みの宿題で出ていた
図画工作を
子どもたちが学校に運んでいく
しばらく
教室の後ろの整理ボックスの上や
窓際の台の上に飾られる
秋も深まる頃には
そろそろ家に持って帰りなさい
と先生が言う
夏休み中に苦心して作った作品を
子どもたちはやがて
めんどくさいような気持ちで家に持ち帰る
家に戻った図画工作を
ずっとどこかに飾っておいたり
ていねいに保管しておくのは稀だろう
どれほど苦心惨憺した制作物も
埃は被るし飽きられてもくるしで
どこかの時点で壊され捨てられてしまう
夏の暑さにも負けずに
あんなに頑張ってこしらえた作品が
時機を逸し色褪せたゴミとなっていく
地上で人間が作るものすべても
思うことも発見も感じとったことも
どれもこれもこの夏の図画工作
どれほど苦心惨憺した制作物も
埃は被るし飽きられてもくるしで
どこかの時点で壊され捨てられていく
地上にあることの困難にも負けずに
各人あんなに頑張ってこしらえた制作物が
時機を逸し色褪せたゴミとなっていく
なにひとつ全く残らない
名は残るとか精神は残るとかポエムしても
地球そのものがまるごと消え去っていく
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