愚かものはいつも小さなことにこだわっている
だから彼らはいつまでも狭小だ
悟りごっこが続いている
あらゆる領域で
とりわけ人生の意味探求狂クラスで
人生の最大価値確定狂クラスで
ぼくは昼食の時間になる前に
廊下の外
美しくクロッカスとスイセンの咲く中庭で
ひとりでミルクを飲んでしまい
秘密の小川へむかった
メダカや名も知らぬ小魚たちが
そこでは楽しそう
かれらの上に小さな葉っぱを落したりして
ぼくは何十年も遊んだ
だれだって
嫌いだった学校にふと戻りたくなることもある
たんなる懐かしさから
戻ってみると
学校の校舎は跡形もなく
雑草の繁る広い野原になっていた
ところが
そこでなにか教えている人の姿がうっすら動いていて
よく見ると
成長した後のぼくだった
あまりにうっすらと透けていて
じぶんからとうの昔に魂が抜けていることにさえ
気づいていないようだった
あいつでは
なく
ぼくが魂なのさ
それに
成長したぼくなどぼくには必要ない
棄てることだけは
だれもが強いられる宇宙だ
愛とは
棄てることなんだよ
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