いつも雲がよく見えるところにいると
風のつよい日など
はやく流れていく雲たちを見ながら
人生に雲を譬えたり
過ぎゆくもののはやさや
定めのなさに譬えたりする昔の詩歌が
あれやこれや
思い出されては来る
けれども
雲は人生ではないし
過ぎゆくものを代表してもいないし
定めのなさにうってつけの表象かどうか
それもあやしい
なにか感じるにつけ
思うにつけ
行動するにつけ
古い比喩に留まっていたくはない
雲はたゞ雲で
さらには雲でさえない
人間が勝手につけた名にさえ
留まっていたくはない
仮泊地にすぎない
人間
の思考癖に
縛られたままでいたくはない
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