夢を見ていても
覚めていくのを感じるべつの認識がある
眠っていても
起きていても
ひとつの意識状態だけに支配されているわけではない
ある意識が優勢になっている場合が多いが
けっこう容易に
べつの意識に優勢ぐあいが転換するものでもある
ところで
夢のなかで
さらにべつの夢の谷のようなものの底へ落ちていくことが
よくあるが
あれはどういうことだろう
6時間も7時間も眠ってきていて
ふつうの意味ではもう疲れてもおらず
さあ起きようか
と思ってもいるところで
まるで宙に浮かんだような感じで
谷の底へと落ちていく
するとべつの現実の時間と空間がひらけていく
そうして
その時間と現実のなかで
また何時間も過ごし
いつのまにか9時間も10時間も眠ったりしてしまっている
シュノーケリングして
南洋の島のまわりをひとりで泳いでいた時
海中で深く暗く落ち込んでいる谷のようなところの上に
出ることがあった
こちらは水面近くに浮いて泳いでいるし
少し潜ってもせいぜい数メートル程度なので
海中の暗い谷に落ち込んでいくわけではないが
沖合いの深い海の底に通じていく巨大な闇の上に出てみると
なんとも言えない恐怖を感じたものだった
夢のなかで
べつの夢の谷のようなものが現われる時
海のなかに見えたその暗い谷に似たものを感じる
しかし
夢のなかでのべつの夢の谷は
暗くもなく
恐ろしくもない
べつの現実の時間と空間として
はっきりと存在し
起床した後はじぶんの覚醒意識の底に
人生の時間の一部として
確実に記録されているのを感じる
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