2025年2月11日火曜日

徳川家康『遺訓』

 

 

 

徳川家康の『遺訓』は有名だが

どこかで読んでも

ふだんは

忘れてしまっている

 

人の一生は、重荷を負て遠き道をゆくが如し、いそぐべからず。

不自由を常と思へば不足なし。

心に望(のぞみ)おこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。

堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思へ。

勝事ばかり知て、まくる事をしらざれば、害其身にいたる。

おのれを責め人をせむるな。

及ばざるは過ぎたるよりまされり。

 

読み直してみると

見事な心の現実主義に立脚していて

空疎な頑張りの鼓舞ではない

「不自由を常と思へば不足なし」

「心に望おこらば、困窮したる時を思ひ出すべし」などは

なかなか言い置けることではない

 

 



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