2025年2月19日水曜日

すべてがよい

 

 

 

すべてがよい

 

と思えているかどうか

ここで

悟りに達している人かどうか

わかる

 

さっきも

いまも

最善最高の状態が開花している

 

こう

思えているか

どうか

 

もちろん

おだやかで

温かく

花々の咲く

草はらに憩っていれば

こう思うのは

容易だ

 

遠くには

澄んだ青空に

うつくしい山々が連なっていて

近くには

青空を映して

たっぷり水を湛えた川が

静かに流れている

 

こんな環境の

なか

ならば

 

色彩のとぼしい

コンクリートや

古びたモルタルや

塗りの剥げた板張りや

破れ障子や

ざらざらに干からびた畳や

掃除されていない

埃だらけの

陽も射し入らぬ暗がりなどだけが

まわりに

展開しているような時

それでも

すべてがよい

最高だ

と思えないならば

その人の悟りは偽物で

そこまでの彼の精神の歩みは

まったくの無駄事だった

 

もちろん

掃除に努めたり

ひとつひとつのものを

きれいに

もともとの状態に近く

保とうとするのは

よいこと

しかし

それは大きな視点からいえば

趣味の問題

 

闇や

埃や

汚れや

乱雑さや

物の壊れや

換気のなさなどは

不浄を好む霊気を呼び込むとはいえ

そのような霊気に左右されてしまう時点で

その人は悟りに達してはいない

 

過酷な収容所や

牢獄や

大災害による崩壊のなかでも

すべてはよい

完璧な状態が開花している

こうした物質的現象がじぶんは無償で与えられた

と思えるまで

人は何度も転生を余儀なくされ

さまざまな環境に

投げ込まれ続けていく

 




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