すべてがよい
と思えているかどうか
ここで
悟りに達している人かどうか
わかる
さっきも
いまも
最善最高の状態が開花している
こう
思えているか
どうか
で
もちろん
おだやかで
温かく
花々の咲く
草はらに憩っていれば
こう思うのは
容易だ
遠くには
澄んだ青空に
うつくしい山々が連なっていて
近くには
青空を映して
たっぷり水を湛えた川が
静かに流れている
こんな環境の
なか
ならば
色彩のとぼしい
コンクリートや
古びたモルタルや
塗りの剥げた板張りや
破れ障子や
ざらざらに干からびた畳や
掃除されていない
埃だらけの
陽も射し入らぬ暗がりなどだけが
まわりに
展開しているような時
それでも
すべてがよい
最高だ
と思えないならば
その人の悟りは偽物で
そこまでの彼の精神の歩みは
まったくの無駄事だった
もちろん
掃除に努めたり
ひとつひとつのものを
きれいに
もともとの状態に近く
保とうとするのは
よいこと
しかし
それは大きな視点からいえば
趣味の問題
闇や
埃や
汚れや
乱雑さや
物の壊れや
換気のなさなどは
不浄を好む霊気を呼び込むとはいえ
そのような霊気に左右されてしまう時点で
その人は悟りに達してはいない
過酷な収容所や
牢獄や
大災害による崩壊のなかでも
すべてはよい
完璧な状態が開花している
こうした物質的現象がじぶんは無償で与えられた
と思えるまで
人は何度も転生を余儀なくされ
さまざまな環境に
投げ込まれ続けていく
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