サントリーホールで
イーヴォ・ポゴレリッチの演奏を聴いた
不遜ながら
あまり
期待はしていなかった
天才と謳われた
若き日の彼の演奏に
さほど
感心しなかったことがあったから
しかし
2025年の1月29日
サントリーホールの舞台には
21世紀から18世紀までの音楽史の富を
逆進して回収した果ての
贅肉を削ぎ落とした
ジャコメッティの彫刻ような
モーツァルトがあった
これまで聴いた
あらゆるクラシック音楽が
ポゴレリッチの弾くモーツァルトに
吸われてしまった気がした
現代音楽として再臨したモーツァルト
と
うっかり呟きそうになったが
そうではない
現代より
もうちょっと未来に
耳だけ
連れていかれてしまって
いたから
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