2025年2月1日土曜日

ミクロ舟浮かべて

 

 

水飴で包んでしまった都市が

口笛を

吹きたがっている

 

鋭い葉先を持つ

芳しい香りの植物の枝を

水飴の表層のどこかに突き立てて

ひとつ

お祈りをしてきてやろう

 

虹色の卵がひとりでに

都市の奥に

きっと

浮き上がってくるはずだから

わかるべき人には

きちんとわかる

暗号をやわらかく刻んで

また

旅に出よう

 

都市へ

ではなくて

(だって

都市という都市はすべて

繋がっているから

未知はない)

誰からもすっかり忘れられている

細い小川に

ミクロ舟浮かべて

菌類の森へ

 

こころの

菌類





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