ちあきなおみの「喝采」を
急に
聴きたく思ったのは
いつもはあのあたりにはいない
野良猫が
テング酒場のわきのビルの空調設備の裏へ
逃げ込んだのを見た
23時近くのこと
だったか
1972年の
第14回レコード大賞受賞時の映像を
YouTubeで見てみたら
ずいぶん落ち着いて歌っている
そのことに驚く
1998年の紅白歌合戦で泣いて
ところどころ歌えなくなった安室奈美恵とは
ずいぶん違う
♪あれは三年前
止めるアナタ 駅に残し
動きはじめた汽車に
ひとり飛び乗った
この歌詞から突き刺さってくる映像に
どうも
その後の生きようの
ライトモチーフを
決定されたような気も
しないではない
止めるなにかをじぶんも
駅に残し
動きはじめた汽車に
ひとり
飛び乗った
ような
気も
しないではない
♪時にすばらしい
夜もあった 笑顔もあった
どうしようもない風に 吹かれて
生きている今 これでもまだ
悪くはないよね
という
安室奈美恵の声が
今は
重なって
よみがえってもくる
あゝ すばらしい流行歌の歌詞!
すばらしい通俗!
大衆の
極みの極み!
泣いて歌えなくなった安室を指して
ほら、泣いちゃって
歌えなくなっちゃってる…
と
大晦日の食事を準備していた
エレーヌに
たしか言った
東京都世田谷区代田1-7-14の1階の住まいで
気分はきまぐれ
気分は逸れて
どこをどうさまよったか
米津玄師の「パプリカ」に飛び
「Lemon」に飛び
途中にレミオロメンの「粉雪」を挟んで
「感電」に飛んだが
♪稲妻のように生きていたいだけ
おまえはどうしたい? 返事はいらない
ははん……
「感電」は
ドナルド・トランプ向きだな
と
感じ
はじめて
この曲の面白みの三丁目ぐらいまで
行けた気がした
すると、また
急に
♪なごり雪も 降る時を知り
ふざけすぎた 季節のあとで
と
聞こえてきて
あゝ……
と思ったが
「なごり雪」を
聴き直す
必要はない
「感電」に戻る
戻って
♪兄弟よ どうかしよう
もう なにも考えないよう
銀河のはずれへと さようなら
真実も 道徳も 動作しないイカれた夜でも
ぼくら 手を叩いて笑いあう
だれにも 知られないまま
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