2015年7月25日土曜日

いつも大変ないたずらっ子



母は父の家を見下していたので
時々ぼくを連れて行く時には
「あの家の人たちはみんな下卑ているからね
「あんなのを真似ちゃだめよ
「ああいう人間になっちゃだめよ
バス停でバスを待つ間や
近づいて行く道々で
ぼくにこう言い聞かしたものだった
誰の言葉をも話半分に聞き
誰の教えも学ばない性質だったぼくは
こんな母の言葉を聞きながら
(いやになっちゃうな
(どうしてパパの家をこんなふうに言うのかな
と思いながら
さほど真剣にはとらえずに
しかし表向きは真剣に注意しているように母には装い
今もまったく変わらないが
その場にいる人たちのそれぞれに
徹頭徹尾いいかげんに合わせてつき合い
けっこう八方美人に
なかなか良い子を演じ続けた

話は変わるが
こんなぼくの本性を見抜いたのは
小学校の低学年の担任だった
若い女のだった先生が
こんな通信簿の言葉が残っている
「よく話を聞いて理解し
「態度がとてもよいですが
「人の気づかないところでは
「いつも大変ないたずらっ子です




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