2021年4月7日水曜日

さくら花ちらぬ梢に

 


おおかた

染井吉野の桜も散ってしまったから

というのではないけれども

 

さくら花ちらぬ梢に風ふれててる日もかをる志賀のやまごえ*

 

定家の歌を思い出してみると

ちらぬ

という否定を以て

桜の花の

今あるさま

意識につよく映し出してくる悪戯っぽさに

ことば遣いの

あゝ なんという若々しさ…

と楽しんでしまう

 

そうして

“てる日もかをる”

来るのだ!


志賀のやまごえ

まで

行ってしまうのだ!

 




*藤原定家「花月百首」中「花五十首」より。






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