2018年7月31日火曜日

じぶんに驚くようになってしまった



  ……抱いた男の中であなたは一番だった。
  でも、自分の生涯で最高の存在は、わたし自身なの。
         ルキノ・ヴィスコンティ   『イノセント』



インターネット上の
だれも知らないところに
言語配列を
しずかに載せてみているのだけれど
たった一度でいいから
ひと月に100以上
載せてみたいものだなと思い
この7月はすこし無理をしながら
106も載せてみた

これは
じぶんでは快挙だな
たいした数だ
などと思いながら
ちょっと
以前のものをふり返ってみたら

驚き!

なんと2016年の12月には
107も載せていたし
8月にも100載せていたし
2015年の6月にも100載せていて
とうの昔に
100越えなど
さらさら
やってしまっていたのだった

じぶんに見せるためだけに
書いたり
載せたりしているけれど

いまや
じぶんに驚くように
なってしまった

もう
他人には
まったく驚かないし
他人とは
競いも
しないけれど

うかうかしていると
じぶんには
なかなか勝てない

でも
これで
2016年12月の
107を載せた
じぶんに
肩を並べたことになる



そっちも


たらばがに
というものを
たぶん
三十年ほど食べていないのだが
なにかのコマーシャルで
たらばがに
たらばがに
と連呼していたので
たらばがに
と呟いてみたら
たらばがに
という音列も
けっこう面白いとわかった

でも
うなぎ
食べたいな

食べたら
ひさしぶりだな
そっちも



時間が熟してくるにつれて

 
こころも
精神も
根のところまで
すっかり引き抜いてしまうには
なかなか
時間も手間もかかる

どこかの時点で
役に立ったりしたのだろうが
ふだんは要らないし
時間が熟してくるにつれて
いっそう
不用になってくる

そればかりか
そのまゝ放っておくと
なんというか
独特の腐りかたをしてくる

まるで
それらこそが
肉体よりも大事だなどと
ぷんぷん
匂わせるような
そんな
腐りかた



急ぐ



火急の用あり
急ぐ

人生のことは任せた

好きに
生きておいて
やってくれ



思い出すことがいっぱいあっても


 
東にはたっぷりと黄色いまるい月が出て
南のほうには火星がよく見えている

暑いことは暑いが
すこし涼しい風も出て
今夜は
いい夏の夜だ

思い出すことがいっぱいあっても
なにも思い出さずに
この風に吹かれていよう

ここからは海は見えないが
きっと海面には月のひかりが揺らぎ
ちらちらと
火星も波間に落ちているだろう

ひとりの人たちにも
ふたり三人の人たちにも
いい夜にちがいない



報告



長いプロジェクトだったが、結論は出たといってよいと思われる。
簡潔な報告を送る。

地球上の言語を、特定の論理や文体に最も縛られないかたちで使用できる環境に投げ込んだ場合、思念や記憶や感情ばかりでなく、文字情報やその他のリプリゼンテーション情報をも含む外部情報をも巻き込んで新たな世界を創造できるかという当初からの探究課題については、イエスと答えることができる。二十世紀初めから大規模に用いられるようになった自由詩形体は、使用上の自由さの点で未だに不完全ながら、この課題には適合しており、今後も一層の実験が為されていく価値があろうと思われる。
そればかりか、筆記者の意思を支え導く多層的な無意識への掘削探索作業までが可能であることも、多量にくり返された実験により、証明されたと言ってよい。

地球上にあって、今猶、未発達な知性は、粗雑な物語に流されるのを好んだり、やはり粗い表面的論理を提示されるのを求めたり、あるいは特定の音韻形式に言語が乗せられるのを嬉しがったりする傾向があるが、自由詩形体のありようの一層の拡充実践によって、物語や表面的論理や韻律からの地球人の精神活動の解放は促進され得るだろう。

詳細は、実験のたびに情報集積装置へ吸い上げられているはずであり、そのつど分析と多面的な解析図も作成されているはずなので、此処では述べない。プロジェクト遂行者の主体位置から見た簡略な報告を行うのみに留める。

我々が考えたように、現在の地球上において、あえて日本語を選んだのは正しかったと思われる。漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、各種の数字から、様々な記号までをた易くひとつの文書内に受け入れ得る文字配列システムは、他の言語にあっては見出せない。紙やモニターの一平面上に、これほどの記号と記号の外部とを収容できる記載言語体系は、おそらく今後も地球上には見出せないだろうし、記載言語としてのこの日本語の豊饒さは、今後もさらに増していくばかりだろう。
記載言語としての世界は、今後、日本語のものとなるだろうが、そのためには、ある時点で、欧米諸言語の消滅が起こらねばならないだろう。全地球人が日本語を精神と血肉のベースとしなければならないからである。

すでに結論の出たプロジェクトをここで停止するか、それとも、猶も継続して別の観点による実験に利用していくか、それについては指示を待つ。いったん、私も帰星して、プロジェクト会議に直接参加したほうがよいとも考えるが、この点については、早急の回答を待つ。

834★2221907425∀ΗΞ08070605



真に乗るべき電車とそれほどでもない電車



一語一瞬!
一語一瞬!

気を抜くとすぐに落ちてしまう!
この世の何をどうすればいいかを鵜の目鷹の目で盗み
薄っぺらにそのコツを知ったら得々とそれを語りたがる心境へと

渋谷と銀座を直結させるBS線(bittersilver線)ホームの端で
ペネロープを乗せて遠ざかって行く終電を見送っていたら
銀色の線路がだんだん青くなりコバルトブルーになり
水ともいえない水がまわりに満ちてきていた

いっしょに乗っていってしまえばよかったのに
と心が締められて痛んでくるほど悔やまれたが
真に乗るべき電車とそれほどでもない電車を区別するのは
どんな時もまことに難しく
どうにもならない時も間々ある
昔の人はこの区別を少しでも見逃さないようにお守りを
心の肉の片の数枚下あたりに潜めておいたものらしいが
今の時代にはそんな手間を掛けることが無粋になってしまい
おかげでたくさんの人がこの世で迷い続けている

改札に出るまでホームを歩いていたら
ひどく酔った女が倒れていて
ちょっと危ないかなと思ったが
すぐに身を起してまわりをきょろきょろ見まわし
じぶんの居場所がまるでわからないかのように
今どき人の顔の表面にめったに見られないような驚愕と戸惑いを浮かべ
片手に持っていたペットボトルを
まるではじめてのものを見つめるように眺め
また身を横たえてしまった

不用意に立ち上がりでもして線路に落ちたら危ない
と思ったが女に関わることなしにわたしは通り過ぎていく
改札を通過する際にサァと銀河の注がれるような音がし
星々の香りが香しく立って
駅の前の大通りの向こう側から巨大なブルーの熊がやってくる

真に乗るべき電車とそれほどでもない電車を区別するのは
どんな時もまことに難しく
どうにもならない時も間々ある

しかし
しかし

見よ!
星々の香りが香しく立って
駅の前の大通りの向こう側から
巨大なブルーの熊がやってくるところだ



Xバンドレーダーをめぐるおはなし


[おはなし]
日本にさらなる大災害をもたらすべく
人工的に作られた台風12号であったが
地上の災害を極小化しようとする異星人の宇宙船団に乗っ取られ
世にも稀というより
科学的にあり得ない進路をたどりつつ
国土交通省のXバンドMPレーダーの設置された地点
すなわち
静岡河川事務所Xバンドレーダー(国交省)
②静岡県磐田市Xバンドレーダー(同河川事務所)
③三重県鈴鹿市Xバンドレーダー
④愛知県一宮市Xバンドレーダー
⑤京大MUレーダー(甲賀市)
⑥京都府鷲峯山Xバンドレーダー
⑦三国山航空レーダー(大阪)
⑧大阪府枚方市Xバンドレーダー(近畿地方整備局)
⑨葛城山Xバンドレーダー(和歌山県)
⑩神戸市六甲山Xバンドレーダー
⑪岡山県赤磐市Xバンドレーダー(熊山)
⑫岡山県玉野市Xバンドレーダー(常山)
⑬広島市Xバンドレーダー(牛尾山)
⑭広島県廿日市市Xバンドレーダー
⑮脊振山Xバンドレーダー(先日ホルスカードを設置)
などを舐めるようにしっかり通過していったことで
気象兵器で被害を作り出そうとする反社会勢力に
いかにも皮肉なデモンストレーションがなされた7月の終わり
なのであった

[読解]
気象兵器使用者側をおちょくり尽した進路を辿らせることで
自然災害を装った攻撃を行う勢力に対し
より高次の存在者たちから明らかな警告が発せられたばかりでなく
一般民衆にも
人知ではどうしようもない自然現象と思われていたことが
あまりに露骨に異常な色合いを帯びてきていると気づかせる効果もあった
さらにもちろん
台風を使って
Xバンドレーダーに雷撃を行うこともできたわけだが
あえてそれをやらなかったことで
気象兵器の使用者側を戦慄させしめたという点に
最大の目的があった

[ポイントとなるおはなし]
周波数帯Xバンドを使うレーダーは、なによりも米軍の対ミサイル早期警戒レーダーに使用されているものであり、細かい雨の分布までわかる気象用として日本中に設置されているレーダーも、実際には軍事用としての用途のほうが主であると考えられ、そればかりか、雨を発生させる雲を任意の箇所に発生させる装置の一部を成していて、西日本豪雨もこの装置によって発生させられたと見られている。

[よい子の課題]
周波数帯Xバンドと、これを用いた軍事用レーダーについて調べ直してみましょう。その上で、気象用として日本中に設置されたXバンドレーダーが、米軍の極東アジア軍事支配戦略と無関係であるのか、あるいは企画面・資金面・開発面などの点からなんらかの関係がありそうか、よく検討してみましょう。


まるっきり違う馴染みかたができるようになるその時こそ



世界は風のみでできている
空のよく見晴らせるところに長く立っていれば
これがわかる

そうして
風はどこから来るか?

どこからも来ないのだ!
風は
風の吹いているその場所にその時“ある”

そして
もちろん“ある”と“ない”とは
同じこと

“あって”
“ない”
風と
まるっきり違う馴染みかたができるようになる
その時こそ
祝福されてあれ!



感情エネルギー



感情をつくるのもエネルギーであるから、感情となったエネルギーを感情エネルギーと一応は呼んでおいてもよい。
エネルギーはある状態で留まり続けることができないので、つねに変化していこうとする。
感情エネルギーも同じだが、個体の置かれた状況についての思念の側の読解により、ある感情エネルギーが隔離され、固定されることがある。これが続くと、感情エネルギーは塊となって、エネルギー通路に障害物となって居座ることがある。
固着した感情エネルギーは独特の周波数を発し続けるとともに、エネルギー通路の交通を妨害し続けるため、他の周波数を発するものがエネルギー通路のその個所を通るのを減少させる。次第に、固着した感情エネルギーの周波数のみがその一帯を領するようになり、さらに、その周波数に呼応するものばかりがその一帯に呼び寄せられることになる。
多くの場合、これが病気の発生の原初的な原因となる。



大藪春彦がいたら

 

悪党が本当に街にのさばるようになると
チンピラはそれに吸い寄せられるように集まって来て
忖度に次ぐ忖度の末に巨大な徒党を組んでしまう

ひとびとは自分の命とぎりぎりの財を守るため
ひとづきあいを避け
口をつぐみ
目立たぬような姿勢ばかりとるようになったり
他人がリンチを受けていても
バーボンやテキーラの一杯をちびちびやりながら
遠巻きに見て見ぬふりをするだけになる

なぁんだ
いつのまにか
OK牧場の決闘のようじゃないか
荒野の決闘のようじゃないか
真昼の決闘のようじゃないか

この国にも
用心棒がいた時もあったし
七人の侍がいた時もあったんだがナ

なにが起こっても
いまは
羅生門しやがる
藪の中しやがる

大藪春彦がいたら
容赦しないはずなんだがナ



じぶんの波動を外して物事を捉えるのが

 

ふたつある扇風機のうち
わたしの居間で廻っているほうだったか
寝室ちかくの廊下で廻しているほうだったか
どちらが
死んだ友のかたわらに
最期まであって動いていたものか
もうわからなくなっている

もちろん友の波動は染み込んでいるから
しずかに念波を読み取ればわかるはずだが
どちらもわたしが電気店に買いに行って
どちらもわたしが組み立てて使えるようにしたもの
原初にあるそうした“わたし”性が
もっとも強く扇風機たちを浸しているから
わたしにはどちらがどちらだか
少しわかりづらくなるということも出てくる

神霊の道はこれほど微妙で
じぶんの波動を外して物事を捉えるのが
ほんとうに難しい



誤らない道は



世のありようの中に安らいでいると
肉体と思念のうちの最も粗略な部分だけを
慮っておけばいいなどと
怠惰な自己認識・自己管理意識に
陥ってしまいがちになる

自分が自分で
あり得ているかのように思い込む錯誤は
たとえば
片足立ちで数分立ってみようとしたり
目を瞑ってその場に急速に世界を捕捉し直そうとしてみたり
廊下の中央でも
大きなホールの端でも
自分がよく坐る椅子の少し後ろあたりでも
しばらく視線を放棄しながら立ってみたりすれば
すぐに修正される

少なくとも
肉体と思念のうちの最も粗略な部分だけでは
自分と呼ぶに全く値しないと
体感的に理解される

誤らない道は
この理解にたびたび帰ることからしか
辿られ得ない



鳥のように前傾姿勢を取ると両腕にひんやりした気が

 

どんなに暑い空気の中でも
片足立ちして
もう片方の足を後ろに伸ばし
両腕を斜め前方にかるく伸ばして
鳥のように前傾姿勢を取ると
両腕にひんやりした気が
たちまち纏わりついてくる

どうしてなのだろう?

肉体のまわりを
身体のべつの層が覆っているが
そこに涼風が発生するからか
それともその部分は
本来涼しい領域だからか?
大気の暑さのゆえに
それがくっきりと感じられるからか



2018年7月30日月曜日

見もの中の見もの



全世界のみなさんは
秋津島なんぞというドブ板列島に
トント興味はないざんしょうけれど
お間違いになるといけないから
ちょいとメモしておこうかなと老婆心ながらに…

この列島でいまイチバンの注目ネタは
いやいやどうして
オリンピックなんていうものじゃあなくって
とうの昔からノサバッテいて
サン=テグジュペリならバオバブの木と呼ぶかもしれないアレ
なおさらグングン成長過程の大パルタイが
さァ短期間のうちにどこまで
ケンポーを総とっかえできるかナ
ってのが
見もの中の見もの
ってところ

法学部で苦虫噛み潰したダメ学生たちには
もうもうもう
嬉しくってたまらないような
プランというか
献立というか
アトラクションというか
ちゃぶ台返しというか
ズラズラ

立憲主義は否定(102条)
基本的人権は全文削除(97条)
自衛隊じゃなくって軍隊創設(9条2項)
集会・結社は制限(21条)
個人より国家・秩序を尊重せよ(12条)
国家が家族の価値を規定し直すからネ(24条)
もちろん国家元首は天皇で、明治憲法に回帰しよう(1条)
緊急事態条項で独裁体制完成だ!(98条)

すごいですわよねぇ
ワイマール憲法どころか
ルソーさんだの
ロックさんだのが
コツコツ拵えてきた安全装置のぜんぶが
一から十まで
ナカッタコトニ~
ってなぐあいで
ぶっ飛ばすつもりらしいんでございますから

これはすなわち
南北朝時代型の正々堂々の分裂もアリってことですわよね
壬申の乱型ひっくり返しや
蘇我氏邸焼き打ち総虐殺もふたたびアリでいいってことですわよね
っていいますか
田布施あたりの底辺層をかき集めた幕府破壊のようなことを
ふたたびやらかしても
恨みっこなしって
ことですわよネ
天誅っていうことで
造反有理ってことで
よろしゅうございますわよネ