うしろの正面だあれ
と戯れ歌しているあいだに
春の次の
春の次の
春の次の
春の次が来ていて
あたりにはもう
誰もいない
春のうすら寒さが今夜のお汁をすぐにも冷まします
吹雪にはならないだろうが
背から胴体の奥まで沁みてくる寒さです
冬よりよほど寒いさむい春の寒さです
もっと人にやさしくすればよかったなんて
思っていないのです ずいぶんやさしくしてきたから
自分を主張しすぎてはいけないなんて
思ってもいないのです 人の主張ばかり聞いてきたから
皆もっともっとはやく滅びればいいのに
居てほしい人たちは
あたりにはもう
誰もいなくて
春の次の
春の次の
春の次の
春の次が来ています
ずいぶんやさしくしてきたから
人の主張ばかり聞いてきたから
もてなかった顔が大穴となって寒さが流れ込むばかりです
もっともっとはやく滅びればいいのに
春も
夏も
たのしみも
よろこびも
うしろの正面だあれ
と戯れ歌し続けていくあいだに
0 件のコメント:
コメントを投稿