けっきょく
どこまでいっても
自我と自我が折りあうことなど
ない
それでもぼくは
ずいぶんじぶんを黙らせて
きみらの自我のお話を聞いてきたものだが
もう
ほとほと飽きてしまった
あれはこうすべきだとか
そっちのほうが価値があるとか
いちばん大事なのはどれだとか
ぼくがいちいち
まったく違う思いを抱いていたのなど
気づきもしなかったのだろう
パチンと指をならせば
きみらの世界など消える
ぼくの同意と共感がきみらを支えてきたのに
はじめから
そんなものはなかったのだから
みんな
フリだったのだから
もうやめよう
ぼくは
いよいよ
ますます
参加しなくなる
幻想を抱えて行けると思うなら
行け
きみらといっしょに言ってみた
《ぼくら》なんて
まったくの演技だった
けっきょく
どこまでいっても
自我と自我が折りあうことなど
ない
協働なんてない
同一方向なんて一時的な印象
世界の統一理論はべつのところにある
全然べつの
やり方やあり方を探すしかない
絶望的
というわけではないんだ
だが…
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