2011年9月17日土曜日

北極を後にして



ふつうの猫がふつうのおばさんに撫でられていた
星がひとつ出ている

夜になったのでぼくはまた北極まで歩く
北極はそこの露地をぬけた角にある
よく行く

行ったからといって角があるだけで
角をちょっと行ったり戻ったり
立ち止まって鼻先を拭ったりする

そうして帰ってくるのだ
北極を後にして
なんども行き来してみた角を残して

ふつうの猫がふつうのおばさんにまだ撫でられている
星がひとつ出ている


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