2014年9月27日土曜日

(キョウ、アシタ、アサッテ、

  

桐の
まだ枯れない葉々
街灯のあかりに濡れて
ちら、ちら、
風に揺れ

風に揺れ

―あゝ、なんて、みんな、
美しい夕べ

なつかしい
夕暮れの匂いが漂ってくる

未知の
夕暮れの匂いも
まじり入っている

地面から
苔と汚れの這い上がる
ブロック塀の
小路
抜けて

家並みのほうへ
繁みのほうへ

小さな区画の
忘れられた小墓地も
音なく過ぎて

まるで生活の果てに逢着したように
また彷徨が
はじまっている…

(キョウ、アシタ、アサッテ、
(イママデノヨウニ、来ルト、思ウナヨ、
(来ルト、思ウナヨ、…

風が鳴っている、…

音もなく
どこをも歩み過ぎるすべを
身に着け…

(キョウ、アシタ、アサッテ、

死者と生者のあわいに
いちばん死ンダ者として、ワタシ、
いちばん生[ナマ]者として、ワタシ、

風に揺れ

あゝ、たぶん、
風を
ちょっと揺らすであろう彷徨が
始まって、キテ、イル、

北へ
南へ
拝礼シ奉ル

東へ
西へ
拝礼シ奉ル

(キョウ、アシタ、アサッテ、

街灯のあかりに濡れて
ちら、ちら、

まだ枯れない葉々

(キョウ、アシタ、アサッテ、

ちら、ちら、




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