若草の茎の肌のように、
もし
眠かったら
おいで、この泉へ
淵に石たちが
ぷちぷち
粘膜のおしゃべりを続け
青や黄色の花々が
澄ました顔を陽に向けている
幻だったよね、きみ
求めてきた空箱や
欠けた陶器
抱いて!
若い日の肌さえ
思い出そうとしないから
濡れた肌の上
水の切れていく速さを
きらきら
楽しく追い直しているの
読みつくさないまま
瞬間の連鎖は放り出し
深海にくらぐら
沈んだり
浮いたり
思いちがいの
かわいい花籠たちよ
すっかり心やすく
解く
幾重もの衣
彩の
数かず
(ぽ387号・2010年3月)
1 件のコメント:
とても好きな詩。映像にしたらどうかと、想像します。
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