死んだ友のデスクパソコンを
今はぼくのテーブルに置いている
モニターには風呂敷を掛けて埃よけにしていたので
同じようにしている
同じ風呂敷を掛けている
これを買う時
ネットであれこれ性能を調べ
選択したのも手配したのも
届いたものを配線し調整したのも
みんなぼく
機械にまるっきりダメな友だったから
使い方の一から教えて
困った時には深夜でも教えに行った
馴れない手つきで
メールを書いていたが
エッセーや論文も書いていた
ぼくにはぼくのノート型パソコンがあったので
いまテーブルの上に置いてあっても
あまり使わない
風呂敷の柄は毎日見ている
秋の夜の野原の光景で
萩やすすきが茂り
ほかの秋の草や花々が茂るなかを
白ウサギがあちこち跳ねている
目は赤く
耳の内側も赤い
ときどきパソコンを点けるが
大丈夫
ちゃんと動くようだ
動くようだよ、
まだまだ…
と
ときどき呟く
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