だれもが
明日
死ぬかもしれないのに
鶏舎のなかの鶏のように落ち着かず
餌をついばむことだけ思って
せわしなく首を動かし
型にはまったぎこちない動きを続け
見開いているようでも
目は点
つくろっても毛はどこか汚れ
ひっきりなしに
糞尿をする
これでいいのだというなら
これでいいのだろう
ほかにやりようがあるかといえば
やりようもないのだろう
美
よろこび
愛
価値
そんなメッキことばを
すっかり潰えさせてしまう
つめたい夕やみが来る時
腕には名前の書かれたラベルを巻かれ
カテーテルで痰を吸われ
舌には苔が生えて
OOさん、さあ食べましょうね
OOさん、さあおしっこですよ
保育園に入り直したように呼ばれ
衰えきった体の
乳児もどきができあがる
これでいいのだというなら
これでいいのだろう
ほかにやりようがあるかといえば
やりようもないのだろう
……
……
……
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