あたしゃ、あんたたちに戦争の悪口は言わせないよ。 戦争は弱い者を抹殺するって言うけど、 弱い奴は平和な時だってくたばっていくのさ。ただ戦争のほうが、 それに関わっている奴をもっとよく養ってくれるのさ。(…) 戦争は商売そのものさ。
ベルトルト・ブレヒト『肝っ玉おっ母とその子どもたち』(岩淵達治訳)
平和平和が口癖なのに
この国
なんと簡単に軍事介入を認めてしまうのか
やすやすと旦那国の好戦癖につき合ってしまうのか
それを
また見ている
遠い国で使われた化学兵器
それをだれが使ったのか
ほんとうは
だれがだれへ
どうして
どのようにして
使ったのか
調べる手だても
確信に到れるような情報も
自前では用意さえできず
すべては旦那国からの御下賜というのに
この国の首相ときたら
「化学兵器が使用された可能性が極めて高いと考えている」とか
「情勢悪化の責任は、
暴力に訴え無辜の人命を奪い、
人道状況の悪化を顧みない」当該国の政権にあり
「政権は道を譲るべきだ」とか
長すぎるのか
短すぎるのか
どこか回らぬいつもの舌で
ぺらぺら
ぺらぺら
表明している
いくらでも捻じ曲げられる情報というものを
ことに紛争や戦争の情報というものを
一方の側からごり押しに掴まされて
なんと安易に都合よく信じて
信じたふりをして
進めていけるものなのか
政治とは
外交とは
戦争とは
もちろん
ただ傍観していればいいというのではないが
10万人も殺される状況を粛々と作りあげてきたのは
破壊と再建築で儲けようと狙う
あれらの国やこれらの国やあれらの勢力
ようやく混乱も実りに実って
国連などは袖にして
ここぞと国をあげて介入し
不景気も失業率もぶっとばせと
儲け算段に出た旦那国や
海外搾取や植民地化に秀でた昔なつかしい国々
若い衆たちの数えきれないからだをまさに粉砕粉骨され
銃後の家族も原爆の業火を浴びせられ
敗戦民の昔よりの定めのとおり
すっかり従順なお妾に貶められたわが国も
旦那さまがそうおっしゃるのならばと
切り火までして
まぁ、いさましいこと
これもまぁ
安倍川餅の商売のうち
ささ、旦那さま
御心労なことで御座りますがな
たとえ大元の理由はなんであろうと
こと此処に到っては
無辜の民の人命
秩序
一大事で御座りまするな
そうして
正義
正義
正義
なんといっても
正義で御座りまするな
錦の御旗
ハタハタと
はためいているで御座ります
国際平和
暴君討伐
正義
正義で御座ります