駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2013年8月30日金曜日
いま起こっている
ふいに衰える夏の暑さに
さびしく
やわらかく共鳴する
こころ
からだ
滅びへと着実に歩を進める人類は
いま
すこし息をついて
虫の声など
聴いているのではないか
あした死ぬ人も
数年後に死ぬ人も
ひとしく
虫の音を聴いている夜がある
何年も
何十年も経ってから
思いの中で戻り
なんどもくり返して
聴き直すような
虫の音の夜が
いま
起こっている
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